第12夜 【M男の本棚-3 芳野眉美】

「教授婦人の舐め犬」 (マドンナメイト) [文庫]芳野 眉美 二見書房 (1995/12)
教授夫人は黒い翳を分け、花唇を開き、誘惑する!
不能な老教授の夫人となった美悦は、夫の教え子、大学の医師、甥、理事長など、肉欲を満たすために奔放な遍歴を重ねていく。首枷、手枷、足枷を嵌められた男たちは、夫人の淫虐な責めに歓喜の呻きを上げる…。
最初は冷酷非情な美悦夫人が、読み進む内に可愛らしく愛らしい女性に見えてくるから不思議です。
昔、SM雑誌で読んだ時には、秋吉巒氏の挿絵だったこともあって、面白いより怖い感じが拭えなかったのですが、今読み返してみると、とても良く書けている素敵な傑作だと思いました。


「女王蜂の拘束生玩具」 (マドンナミストレス) 芳野 眉美 (文庫 - 2002/10)
三人の貴婦人たちによる屈辱の射精コントロール!
瑠媚夫人、麗花夫人、美奈々夫人、…
妖しくも残虐な貴婦人たちが君臨する謎の“治療院”。
そこでは童貞たちに恥辱の下半身矯正が施されていた。
猿轡、全頭式マスク、男性用貞操帯など、さまざまな拘束具を着けさせられた男たちは、豊満な肉体をもつ雌たちにひたすら虐げられることに。
射精を禁じられたまま、奴隷としての快楽に目覚めて…。
これも、一部は昔、雑誌で読みましたが(やはり秋吉巒氏の挿絵)、今読み返してみると、意外に明るい筆調です。病んだM男の家畜化や美女・美少女の肉体改造、美処女のような美少年、妖艶な瑠媚夫人そっくりのラバースーツに閉じ込められて悦びの中で生きる夫など、内容的にはとてもハードなのに、楽しそうな筆運びの中で物語は進行していきます。こういうのをSMフェチ耽美官能小説とでも言うのでしょうか。ギリシャ神話の雰囲気も伝えるファンタジックな造りと雰囲気がより快癒と審美さを感じさせます。
by M-kikuo
| 2012-05-07 18:42
| M男の本棚
|
Trackback
|
Comments(0)
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。
ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。