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SM千夜一夜物語

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変態雄犬キクオの妄想日記です。

【第68夜 喜国雅彦「月光の囁き」】


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★1994年~? 週刊ヤングサンデー(小学館)連載、単行本:ヤングサンデーコミックス全6巻(1995年)、小学館文庫全4巻(1999年)、My First Big SPECIAL版・全3巻 (2005年)

「痴人の愛」「春琴抄」などの谷崎潤一郎のマゾ文学を現代学園漫画として復活させた作品としてはとても面白かったです。主人公達が中学生(最後に高校時代も)なので、その変態的な性癖に悩み苦しむ姿が気の毒でしたが、最後にプレイとして楽しんでいる姿を見て、とりあえずはハッピーエンドという印象を受けました。

【コミック・あらすじ】
同じ剣道部員である北原紗月のことが好きな日高拓也.しかしその感情は普通なものではなく,紗月の足や匂い,ぬくもりを愛しているのだった.そんな姿は普段は全く見せずに紗月と接しているため,紗月は拓也の優しさを感じ,好きになっていくのであった.こうして,拓也と紗月は付き合うことになり,二人は結ばれる.拓也の望んでいたことがかなったはずなのだが,何か満たされないのであった.そんなある日,紗月は松高の不良・景山に絡まれて、連れ去られてしまう.
友達からそのことを聞かされた拓也は,あわてて紗月を探し出し,助けに行く.その場は助けられたものの,景山はやくざの父親を持つことがわかり,拓也達はとんでもない人と関わりを持つことになってしまった.ある日,拓也の家を訪れた紗月は,拓也が自分の靴下やリップクリーム,そして自分のトイレの音を録音したテープなどを集めていることを知ってしまう.拓也のことが分からなくなってしまった紗月は,拓也を避けるようになる.そんな時,マルケンが松高の不良に絡まれ,大けがを負ってしまう.マルケンは拓也達に注意をするよう忠告するするのだが,ついに紗月が再び景山に捕まってしまう.呼び出された拓也は紗月を助けに行くのだが・・・
自分を助けたことで大けがを負ってしまった拓也から逃れることが出来なくなった紗月は,拓也と向き合っていくことを決意する.右手を怪我し,中学最後の総体に出られなくなってしまった拓也だが,足に怪我を持ちながらもシュート王を目指しトレーニングに励むマルケンを見て,自分も左手だけでも戦えるよう鍛え始める.ある日,拓也と紗月は剣道部の先輩である植松に再会する.植松が彼女と別れたことを聞いて,拓也との関係をどうしてよいのか分からなくなっていた紗月は,植松と付き合い始める.そんな紗月に動じない拓也の姿を見て,紗月は当てつけのように植松との仲を見せつけるのだった.
自分のためについた拓也の傷と向かい合うしかない紗月だが,その一方で普通の恋愛を求めるために植松と付き合う.そして植松と寝てしまう紗月だが,拓也への半ば当てつけの気持ちでやったその行為で,かえって自分自身の気持ちが乱れてしまう.そして総体では,紗月らしい剣道が出来なくなってしまう.逆に,それを知らされても拓也は一向に動じないのであった.どうにかして拓也を不幸な気持ちにさせようとする紗月は,拓也を自分の家に呼び,隠れさせ,自分と植松との関係を見せつけようとする.しかし,そうすることがかえって紗月と拓也の気持ちを高揚させるのであった.
総体で紗月は個人優勝をする.拓也も順調に勝ち進み,準々決勝まで残るが,試合途中に紗月の危機を感じとり,試合を放棄して出て行ってしまう.実際,そのとき紗月は階段から落ちて骨折していた.このときから,紗月は自分の気持ちに気付いていく.普通の恋愛を求めるために植松と付き合っていこうとしたのだが,心以上に自分の体が植松に感じなかったことに紗月は気付く.全ては拓也に感じていたのだった.同じ頃,マルケンは今まで勝ち続けていた試合に負けてしまう.強い男が好きだ,という彼女の前で弱音を見せたことで振られてしまい,どん底に陥ってしまう.そして,たまたま通りかかった紗月に助けを求めるのだった.
マルケンが紗月に助けを求めている姿を目撃してしまった拓也は,植松に対してさえ抱かなかった嫉妬をしてしまう.マルケンに対してどういう気持ちを持つのか自分でも分からなくなった拓也は,夏休み,紗月の家で3人で受験勉強をすることを提案する.そして,奇妙な3人の関係が始まった.夏休みも終わりに近づいたある日,3人は夏休みの思い出作りとして海に出かける.そして,その楽しい1日を終わらせたくない3人は,時間のあることを確認して洞窟へと探検しに行くのだった.しかし,そこで待ち受けていたのは強風と大雨であった.その風雨にさらされた中で3人の本当の気持ちが分かってくるのだった.

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★「月光の囁き」の映画化(1999年10月23日公開)

監督・脚本……塩田明彦/キャスト……水橋研二、つぐみ、草野康太、井上晴美、真梨邑ケイ(特別出演)、しみず霧子(特別出演)/主題歌……「運命の人」スピッツ(ポリドール)/制作……日活

【解説】 純粋であるが故に、歪んだ愛欲の世界に落ちていく高校生カップルの姿を描いた青春エロス。監督は、本作で長編デビューを果たした『露出狂の女』の塩田明彦。喜国雅彦による同名コミックを基に、塩田監督と「蜘蛛の瞳」の西山洋一が共同脚色。撮影を「CHAKA〈チャカ2〉」の小松原茂が担当している。主演は、「富江」の水橋研二と「HEAVENZ」のつぐみ。

【映画ストーリー】
北綾高校の剣道部に所属する拓也と紗月は、秘かに寄せていた想いを実らせ交際を始めた。ところが、拓也には人には言えない異常な性癖があったのである。それは、紗月の持ち物や写真を集めては自慰に耽ること。ある日、拓也の家に遊びに来た紗月は、拓也の部屋で自分の小便の音を録音したテープを発見してしまう。拓也の異常な性癖を知った紗月は拓也と別れ、彼女に好意を寄せる剣道部の先輩・植松と当てつけのようにつきあい始めるが、それはかえって拓也を喜ばせる結果になった。紗月の犬になりたいと言うマゾヒストの拓也に、やがて紗月のサディスティックな一面が開花する。植松とのデートやセックスをこっそり覗かせる紗月の責めに、変態と罵られても自分の本当の姿をさらけ出し、ひたむきに応えていく拓也。そんな折り、紗月は植松に真剣に愛を告白され、動揺してしまう。翌日、山間の温泉へ拓也と植松を呼びだした紗月は植松の前で拓也を犬として扱い、彼に滝壷に飛び込んで死ねと命令する。一命を取り留めたものの、足を骨折して入院した拓也。飲み物を買いに行けと命令する紗月に、あくまで彼は従順である。そんな拓也に、紗月はギプスが取れたら海に行こうと誘う。


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by M-kikuo | 2014-05-14 18:11 | M男の本棚 | Trackback | Comments(5)
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Commented by at 2014-05-14 19:13 x
大人のSとMの感情や関係性とはまた違い、まだそのような事がよくわからない中学生ならではの感情や関係性、そして純愛との狭間で揺れる心の葛藤が描かれているようで、かえって新鮮ですね。
Commented by M-kikuo at 2014-05-14 20:41
見ていて、少々可哀想ですね。
本当は楽しいことなのに…。
Commented by at 2014-05-14 21:07 x
自分の心の変化がまだよくわからない中学生ならではだからでしょうかねぇ。

でも、愛の形って色々なんでしょうね。
Commented by M-kikuo at 2014-05-15 06:05
中学生は一番感受性が強いので、この漫画を読んでSとかMとかを意識してしまう子も多いでしょうね。
それで「子供には読ませたくない」という親もいますが、
でも、谷崎潤一郎の作品を読んでも、同じ効果がありますから、そういう本も読むな、ということになると、どうなのでしょう。
Commented by at 2014-05-15 07:35 x
私も同感です。
そのような時期だからこそ、大人が正しい知識を与えて、間違いが起こらないようにするべきだと思います。

また不思議なもので、見るなと言われると見たくなるものですからね。

線引きは難しいですね。